【週間ニュース】生成AI関連のニュースをイッキ見!2026年3月第4週

Claude Mythosリーク、OpenAI Sora終了、Apple×Google Gemini提携の詳細、Rakuten AI 3.0公開、AnthropicvsDODの対立。3月第4週のAI重大ニュースまとめ。

March 28, 202612 min read

今週の「気になったAI・テクノロジーニュース」をピックアップしていきます。


Anthropic「Claude Mythos」がリークで発覚

Anthropicの次期AIモデル「Claude Mythos」の存在が、内部資料の誤公開によって明らかになりました。

同社のコンテンツ管理システムの設定ミスにより、約3,000件の未公開資料がアクセス可能な状態になっていたもので、Fortuneの記者が発見しました。Anthropicはモデルの存在を認め、「これまで構築した中で最も高性能なモデル」で「ステップチェンジ(段階的ではなく飛躍的な進化)」と表現しています。

流出した情報によると、Claude Mythosは現行のOpusの上に位置する新しいモデルティア「Capybara」として開発されており、コーディング・学術的推論・サイバーセキュリティのベンチマークでOpus 4.6を大幅に上回るスコアを記録しているとのこと。一方で、内部文書には「防御側の対応をはるかに上回るスピードで脆弱性を発見・悪用できる」というサイバーセキュリティリスクへの警告も含まれていました。本番稼働中のコードベースから未知の脆弱性を発見する能力が確認されており、Anthropicの安全性基準であるASL(AI Safety Level)で最高レベルに近い評価を受けている可能性が示唆されています。

正直なところ、今のClaude Opus 4.6に大きな不満はありません。日常的に使っていて十分に優秀だと感じています。ただ、大規模なシステム開発をしようとすればするほど、コンテキスト長(一度に扱える情報量)がボトルネックになる場面は確実にあります。個人的には、モデルの精度向上よりも、こうした使い勝手の進化に期待したいところです。

もう少し広い目で見ると、モデルの精度はいずれ頭打ちになるのではないかと思っています。開発にはClaude、情報収集にはGeminiといったように、場面ごとに最適なツールを使い分けるのが今のリアルな使い方です。つまり、一場面で複数のモデルを比較することはほとんどない。そうなると、ベンチマーク上のわずかな差よりも、各サービスがどうユーザー体験で差別化するかが本当の勝負になっていくはずです。


OpenAIがSora(動画生成アプリ)を終了

OpenAIが動画生成アプリ「Sora」のサービスを終了しました。2025年9月のリリースからわずか6ヶ月での撤退です。

数字を見ると、その厳しさがわかります。10秒の動画生成にかかる計算コストは約130ドル。1日あたりの損失は約1,500万ドル(約22億円)にのぼる一方、サービス累計の収益はわずか210万ドル(約3億円)。ダウンロード数も2025年11月の330万から2026年2月には113万へと66%減少していました。

コストの問題に加えて、著作権とディープフェイクの問題も深刻でした。ドラゴンボールやポケモンなどの日本アニメキャラクターが無断で生成されたり、故キング牧師やロビン・ウィリアムズのディープフェイク動画が出回り、遺族が法的措置を示唆する事態にまで発展しました。ウォルト・ディズニーとの10億ドル規模のライセンス契約も白紙に。OpenAIはリソースをロボティクス向けの世界シミュレーションに再配分するとしています。

技術的にはすごいものでしたが、「作れること」と「サービスとして成立すること」はまったく別だったということです。根本にあるのは、生成AIの進化に法規制が追いついていないという問題だと感じます。技術の進化自体は止めるべきではないし、AIが映画を作る未来だって十分にあり得る。ただ、その未来に向けて、国際社会がどの方向にルールを整備していくのか。Soraの終了は、その問いを突きつけた出来事だったように思います。


Apple×Google Gemini提携の新詳細が判明

先週も取り上げたAppleとGoogleの提携について、さらに詳しい内容が報じられました。

AppleはGeminiモデルを自社データセンター内で完全にアクセスでき、デバイス上で動作する軽量モデルの生成にも活用しているとのこと。iOS 26.4で刷新されるSiriはGemini搭載で出荷されますが、Googleブランドは表示されない「ホワイトラベル」方式を採用。年間約10億ドルの支払いが発生する大型契約です。

先ほどのMythosの話とも通じますが、モデル単体の精度で差がつきにくくなる時代に向けて、Appleも「自前で作る」より「最良の技術を取り入れてユーザー体験で勝負する」という判断をしたのだと思います。Apple製品のユーザーであり、Google製品も好きな身としては、引き続き両社の動きに期待しています。


楽天「Rakuten AI 3.0」を公開

楽天グループが、GENIACプロジェクトの一環として「Rakuten AI 3.0」を公開しました。約671B(6,710億)パラメータのMoE型モデルで、日本語処理に最適化されています。ライセンスはApache 2.0で、商用利用を含め無料で利用可能です。

技術的には、中国のDeepSeek社が開発した「DeepSeek V3」をベースモデルとして採用し、日本語データでファインチューニング(追加学習による調整)を施したモデルです。同規模帯のオープンソースモデルにはフランスのMistral 3 Largeなども存在する中で、推論性能の高さからDeepSeek V3が選ばれたと見られています。ファインチューニングによって既存モデルの性能を特定の用途向けに引き上げる手法は、AI業界では広く行われているプラクティスです。

一方で、公開後にいくつかの指摘がありました。Hugging Face上で公開されたモデルの設定ファイルにDeepSeek V3の記述が確認されたこと、また初期リリースで元モデルのMITライセンス表記が削除されていたことが技術者コミュニティで議論を呼びました。


Anthropic vs 国防総省 ― AIの軍事利用をめぐる前例のない対立

Anthropicが米国防総省(DoD)から「サプライチェーンリスク」に指定され、これに対して訴訟を起こすという異例の事態が進行しています。

発端は、国防総省がAnthropicのClaudeを軍事目的で利用したいと打診したことでした。Anthropicは「自律兵器と大量監視には使わせない」という条件を提示しましたが、国防総省は「合法な目的すべてに無制限にアクセスさせること」を求めました。交渉は決裂し、国防総省はAnthropicを「サプライチェーンリスク」に指定。これは本来、中国企業など外国の敵対勢力に対して使われる制度で、米国企業に適用されるのは史上初のことです。

この指定を受けると、国防総省と取引するすべての企業が「Anthropicの技術を使用していない」と証明する義務を負います。つまり、事実上の排除措置です。

Anthropicは3月9日に国防総省を提訴。3月26日にはカリフォルニアの連邦判事が国防総省の指定を差し止める命令を出しました。判事は「Anthropicを罰するための指定だ」と指摘しています。また、OpenAIやGoogle DeepMindの社員30人以上がAnthropicを支持する声明に署名するなど、業界横断の動きに発展しました。

一企業が国家機関と正面から対峙しているという事実に、生成AIという技術が世の中に与えるインパクトの大きさを感じます。Anthropicには、技術の発展を安全に先導していく存在であり続けてほしいと願っていますし、他のAI企業の社員が業界の壁を越えて支持を表明したことにも納得がいきます。技術のインパクトが大きすぎるがゆえに、こうした「技術をどう使わせるか」をめぐる衝突は、今後も形を変えて発生していくのではないでしょうか。


今週の所感

Mythosのリークが示す能力の飛躍、Soraの終了が突きつけた収益化と法規制の壁、そしてAnthropicと国防総省の対立。今週のニュースを並べてみると、共通するテーマが浮かびます。

技術が進むほど、「何ができるか」よりも「どう使うか」「誰がルールを決めるか」という問いの方が重くなっている。生成AIの能力が上がること自体は歓迎すべきことですが、その力をどう制御し、どう社会に組み込んでいくか。その答えはまだ誰も持っていません。

keyaki. AI

代理人AIが回答します

こんにちは!keyaki の代理人AIです。
経歴やスキル、プロダクトについてお気軽にご質問ください。
0/10