社内DXをほぼ全部GASで回してみて分かった「できること」と「限界」

LINEbot、Appsheet連携、外部フォームのバックエンドをすべてGASで無料構築した経験から、GASの実力と限界、使い分けの原則を体験ベースで解説します。

March 19, 20266 min read

はじめに

社内のDX関連の開発は、ほとんどGAS(Google Apps Script)で済ませています。

LINEやLINE WORKSのBot、Appsheetとの連携処理、スプレッドシートをデータベースにした外部向けフォームのバックエンド。規模もジャンルもバラバラですが、「まずGASで作れないか?」を最初に考える癖がついています。

この記事では、実際にGASで何をどこまで作れたのか、そしてどこで限界を感じたのかを、体験ベースで書いてみます。


GASで実際に作ってきたもの

代表的なものを挙げると、こんな感じです。

  • LINEbot / LINE WORKS Bot: スプレッドシートのデータを参照して自動応答するチャットBot
  • Appsheet連携: Appsheetで入力されたデータをトリガーにして、通知やデータ加工を自動実行
  • 外部向けフォームのバックエンド: Webフォームから送信されたデータをスプレッドシートに書き込み、メール通知や後続処理を行う構成
  • 自動リマインド: スプレッドシートの期日データをもとに、チャットツールへ自動通知

これらに共通するのは、すべて無料で動いているということです。依頼者に「費用はかかりません」と伝えると、毎回驚かれます。

GASはGoogle Workspaceに標準搭載されている機能なので、追加の契約やサーバーの用意は不要。スプレッドシートをデータベース代わりにすれば、インフラの管理もほぼゼロで済みます。

GASの基本的な強みや社内DXとの相性については、以前の記事で詳しく書いています。


それでもGASが「足りない」と感じるとき

万能に見えるGASですが、使い込んでいくと限界にぶつかる場面もあります。主に感じるのは以下の2点です。

  • 実行時間の制限: GASには1回の実行あたり6分という上限がある。大量データの処理やAPI連携が多い処理では、この制限に引っかかることがある
  • 応答速度の遅さ: GASを経由したWebアプリやAPIは、コールドスタートの影響もあり、レスポンスが数秒かかることがある

社内ツールとして使う分には、多少の遅さは許容範囲です。問題は社外のユーザーが触るサービスに使ったときでした。

以前、顧客向けのWebフォームをGAS + スプレッドシートの構成でバックエンドを構築したことがあります。社内検証では問題なく動いていましたが、実際に顧客が使い始めると、画面の表示速度や処理のレスポンスに不満の声が上がりました。

結果として、このフォームのバックエンドはCloud Run + Cloud SQLの構成に置き換えることになりました。GASの手軽さは魅力的でしたが、顧客体験に直結する部分では、応答速度の安定性を優先すべきだったという学びです。


私の使い分けの原則

こうした経験を経て、今はシンプルな原則で技術選定をしています。

「小規模なものは基本GAS。GASで無理なら他の技術を使う。」

これだけです。

最初から「GASでは足りないかもしれない」と構えて、オーバースペックな構成を選んでしまうより、まずGASで作ってみる方が圧倒的に早い。実際に限界が見えたら、そのときに乗り換えを検討すればいい。

この判断基準で社内DXの開発を続けてきましたが、困ったことはありません。


まとめ

GASは万能ではありません。実行時間の制限や応答速度など、用途によっては明確に「足りない」場面があります。

ただ、社内の業務改善やちょっとした自動化であれば、GASで十分すぎるほどカバーできます。無料で、サーバー管理も不要で、Google Workspaceとの連携も簡単。この手軽さに勝る選択肢は、なかなかありません。

まずはGASで作ってみる。足りなくなったら、そのとき考える。それくらいの気軽さで始めるのが、結局いちばん上手くいく方法だと思っています。

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